『なぜ生涯、ある特定の犬種を飼い続けるのだろうか?』
あなたの周りに、同じ犬種のみを多頭飼いしていたり、ずっと同じ犬種を飼い続けている人はいませんか?
【日本いるほぼ全ての犬の血統書を発行している団体である、ジャパンケネルクラブ(JKC)によると国際畜犬連盟(FCI)により公認された352犬種(2020年3月時点)のうち、約200犬種を登録されています】
世界的に見れば、人によって改良された犬種の数は、非公式を含めると1000以上あります(デズモンドモリスの犬種辞典:誠文堂新光社)
にもかかわらず、生涯である特定の犬種のみを飼い続ける
その理由のヒントがありました。
特定の犬種を何年も飼っている方のお悩み相談中
「前飼ってた犬は・・・」という言葉がよく出てくることに気が付きました。
亡くなった犬を思うことは、当然です。その気持ちはよく分かります。
ただ、よくよくお話を訊いていると
飼い主さんの話の節々に、以前に亡くなった犬と同じ気質、性格の犬を求めているということが伝わってくるのです。
飼い主さんは、”前の犬とは違う”ということは、頭では理解しています。
ですが、どうしても比べてしまっているし、求めようとしています。
以前飼っていた犬が、利口で大人しくて特別な存在であればあるほど
その傾向は強くなります。
以前飼っていた犬が亡くなった後、新たに同じ犬種を飼い始めた際に注意することがあります。
子犬の育て方は知っていたとしても、以前よりも大きく違っていることあるということです。
それは、15年の歳月が経っているということです。
(犬の平均寿命を15歳とした場合です)
つまり、飼い主自身が15年前と同じような体力を持っていないこと。
そして、生活環境が当時とは違うことに気づいていない場合があるということです。
例えば、運動能力が衰えているということの自覚がなく、大型犬を飼ってしまう。
以前は夫婦二人で犬の世話をしていたが、配偶者が亡くなっており、今は一人で世話をしなければいけない。
子供たちは独立して、犬と遊んでくれる人がいない。
親の介護が必要になってきているのに、子犬の世話までしなければいけない。
とかです。
以前飼っていた犬にも、大なり小なり悩みはあったハズです。
子犬の頃には甘噛みしていたり、落ち着きがなかったことを忘れてしまっている。
もしくは、美化されているかもしれません。
これを読んで「ああ・・前の犬と比べてるな・・」「4年前に亡くなったあの子の面影を求めているかも・・」と思った方。
前に飼っていた愛犬の代わりはどこにもいません。
それは、大切な思い出として心にしまっておきましょう。
犬たちは、あなたの過去になにがあったかを知りません。
今だけを一生懸命生きています。
以前犬を飼っていた時と今とでは、色々と状況が変わっていることでしょう。
要するに、生涯ある特定の犬種を飼い続ける理由は、以前飼っていた犬の面影を求めているからです。
しかし、同じ犬種で同じ気質、性格をもつ犬はどこにもいないということと
以前とは年月が経っているので状況は変わっているということを理解しないと
双方が不幸になってしまうでしょう。
日本だけでも200以上の犬種がいます。
もちろん、純血種にこだわる必要はないと思います。
保護施設には、たくさんの犬が新たな飼い主を待っています。
大人しい犬が欲しいなら、子犬よりある程度成犬になっている方が、あなたの生活にマッチしていることも多いですよ。
もし『また犬を飼おうかな?』と思っている方は、一度冷静になって
考えてみてくださいね。
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