犬のしつけや行動上の問題を変えようとするときに、もっとも大事なことってなんだと思いますか?
褒めるタイミングでしょうか?それとも一貫性でしょうか?
確かにどれも欠かせない要素です。
しかし、もっとも大事なことは、
その犬に関わる人間(家族・トレーナーなど)が、犬に対しての価値観を共有することです。
例えば、祖父・祖母・父・母・子供という家族構成の家を想像してみてください。
(あなたは母のポジションとします。)
家族の犬に対しての考え方は以下になります。
祖父:「犬は外で飼うのが普通。番犬の役目」
祖母:「犬はあまり好きじゃないから関わりたくない」
父:「犬からなめられないようにしつけないといけない」
母(あなた):「犬は家族なんだから、接触的に関わりたい」
子供:「犬はかわいいし、なにをしても怒らない」
このような家庭で、もし犬が人にとって都合の悪い行動をしたら
それを専門家に相談しに行くの9割方お母さんです。
ところが
ドッグトレーナーにも、「犬からバカにされないようにしつけないと問題行動が増える」と思っている方もいれば「犬には親子のように接して良好なコミュニケーションを取りましょう」という方もいます。
さらにドッグビヘイビアリストにも、「環境設定が大事です」と思っている方がいるし、「行動を科学的に分析することが必要だ」という方もいます。あるいはその両方の人もいます。(ここでは、どちらが良いとか悪いとかは省きます。)
自分と価値観が合うトレーナーがすぐ見つかれば良いですが、なかなか見つからない場合は
いわゆるトレーナー難民となってしまうでしょう。
そして、いざ自分と価値観があうトレーナーと出会っても、次に待つのは家族との話し合いです。犬の行動を変えようと思ったとき、その犬に関わる人がバラバラの方向を向いていてはいけません。
犬がいわゆる問題行動を起こすようになったのは、その犬に関わる全ての人が少なからず影響しているからです。
さらには、しつけのために叱るにしろ褒めるにしろ、人によって態度がバラバラだと犬は混乱します。その混乱が、違った問題行動を引き起こすことも多々あるからです。
例えば、ある人にだけは懐いて、ある人には唸ったりするといった具合になることがあります。
当然、犬に関わる人が多くなればなるほど難易度は上がります。
逆に、その犬に関わる人の価値観をうまく共有することができれば、1、2週間で犬に良い行動を覚えてもらえます。
犬が好きな人がいて苦手な人がいる。
叱ることをためらわない人がいて、躊躇する人がいる。
褒めることが得意で、苦手な人もいる。
みんな違うのは当たり前のことです。
育ってきた環境や時代や経験が違うのですから。
しかし『犬を飼う』という選択をしたのは人間側です。
犬が「この家に住まわせてください!!」と頼み込んだわけではないでしょう笑
だからこそ、犬に対しての価値観は家族で共有して、バラバラにならないようにしてあげるべきだと思っています。
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